NECは2014年8月11日、日本と米国を結ぶ大容量光海底ケーブル「FASTER」の建設を単独で受注したと発表した()。FASTERの総建設費は約3億ドル(約306億円)。受注額を明らかにしていないが、ほぼ同規模の金額に上ると見られる。

図●大容量光海底ケーブル「FASTER」のルート
図●大容量光海底ケーブル「FASTER」のルート
[画像のクリックで拡大表示]

 FASTERの敷設プロジェクトには、KDDI、中国移動、中国電信、米Google、シンガポールのSingTel、マレーシアのGlobal Transitの6社が参画している。米国西海岸と、KDDIの海底線中継所がある千葉・千倉と三重・志摩の2カ所を、総延長約9000キロメートルの光海底ケーブルで結ぶ。世界最大規模となる毎秒60テラビットの伝送速度を実現する見込みで、日米間を結ぶ既存の海底ケーブル「Unity」の約12倍に達する。

 FASTERはUnity及び日本と東南アジアを結ぶ「SJC」などと、KDDIの千倉第二海底線中継所で接続する計画。米国とアジア間で、より大容量の通信が可能になる。KDDIによると、2016年4~6月の間には利用を始めるという。

 日米間を結ぶ海底ケーブルを、NECが単独で受注するのは今回が初めて。通常は複数の海底ケーブル事業者と分担して、プロジェクトに当たるという。同社は今後、調査や海底ケーブルの製造に約1年をかけ、2015年夏以降に敷設工事を開始する予定だ。