ソリトンシステムズは2014年8月11日、撮影中のビデオカメラ映像をモバイル回線で伝送するためのシステム製品「Smart-telecaster HD」(写真1)について、1週間または1カ月単位のレンタルサービスを開始すると発表した。8月18日から提供開始する。送受信機材一式のレンタル料金(税別)は、利用可能なモバイル回線6本が付いて1週間プランが19万円、1カ月プランが48万円。

写真1●Smart-telecaster HDのレンタル機材一式
写真1●Smart-telecaster HDのレンタル機材一式
写真2●Smart-telecaster HDの概要(出典:ソリトンシステムズ)
写真2●Smart-telecaster HDの概要(出典:ソリトンシステムズ)

 前提となるSmart-telecaster HDとは、モバイル回線を使って映像を伝送するためのシステム製品である(写真2)。送信側機材一式(ビデオカメラは含まない)と、受信側機材一式で構成する。送信装置は、SDIまたはHDMI介して入力したフルHD(1920×1080ドット)の映像を、6本のモバイル回線を束ねて伝送する。一方の受信装置はマルチチャネル対応で、四つの異なる送信装置の映像を同時に受信してSDI/HDMI出力する。

 主な特徴は、帯域が安定しないモバイル回線に合わせたUDPベースの独自の伝送プロトコル「RASCOW」(Real-time Auto Speed Control based-on Waterway model)を採用したこと。刻一刻と変わるネットワーク帯域(ビットレート)に対して圧縮率とフレームレートを自動調整することで、揺らぎの大きい環境においても継続して安定した映像伝送を行えるとしている。

回線付きでレンタル可能

 レンタル時には、モバイル回線を利用可能な状態で借りられる。契約済みのSIMを搭載した6個のモバイル通信モデムが付いてくる。SIMはそれぞれ、KDDIが2系統、NTTドコモが2系統、ソフトバンクモバイルが1系統、Y!mobile(イー・モバイル)が1系統、である。これらを束ねて1チャネルとして利用することで、安定したネットワーク帯域を確保する。

 レンタル機材の構成は、以下の通り。送信側機材一式は、送信装置本体、バッテリー×2個、バッテリー充電器、冗長バッテリー用プレート、SDI映像入力用ケーブル、HDMI映像入力用ケーブル、モバイル通信モデム×6個。一方、受信側機材一式は、受信装置本体(ノートPCを利用)、外部出力用の映像キャプチャー装置(USB 3.0からHD-SDI/HDMIへ出力)、外部出力用のSDI/HDMIケーブル。

 なお、レンタルではなく購入する場合の価格は、モバイル通信モデムとモバイル回線を含まない構成で370万円(初年度サポート代込み)である。2年次以降のサポート費用は、送信装置が年額24万円、受信装置が年額10万円。