ヤフーは2014年8月11日、個人の遺伝情報を解析し、病気のリスクなどを割り出すゲノム解析サービスを、2014年10月から一般向けに提供すると発表した。Yahoo!ヘルスケアが取り組むプロジェクト「HealthData Lab(ヘルスデータラボ)」の一環で、これまで2回にわたり無償モニターを募集していたが、一般サービス化に踏み切る。

 ヤフーのゲノム解析サービスでは、2型糖尿病、脳卒中、腎臓病などの生活習慣病や、肥満・不眠症などの病気、尿酸値・飲酒量などの体質を含む約300の項目を解析できる。母親から受け継ぐミトコンドリアDNAを基に、祖先に当たるグループを割り出すこともできるという。

写真1●ゲノム解析サービスと合わせて提供する健康情報アプリの画面
写真1●ゲノム解析サービスと合わせて提供する健康情報アプリの画面
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 ゲノム解析に加え、歩数や睡眠時間、体重といった個人の健康情報を収集、解析するPHR(パーソナルヘルスレコード)サービスの提供も始める(写真1)。専用のスマートフォンアプリを今冬に提供する予定。将来は遺伝情報とPHRの情報を統合し、健康維持のアドバイスを行う。

 ヤフーは2014年6月、8月の2回に分けて、ゲノム解析サービスの無料モニターを5000人ずつ募集している。1回目の応募者は男性が63%、女性が37%で、30代、40代の応募が大半だったという。現在は、2回目のモニター募集を2014年9月1日まで実施している。

 モニター登録にはYahoo! JAPAN IDが必要。解析項目は一般サービスより少ない約120項目で、病気のリスクや体質のほか、言語能力、学習能力、非言語IQ、経済・政治の関心といった項目を分析する(解析項目例)。モニターは解析を受ける前に、健康情報や生活習慣、性格、学歴など約250項目のアンケートに答え、利用登録する。

 解析結果とアンケート結果については、氏名・住所など個人を識別する情報を削除した上で、医学的研究その他の研究目的で提供する場合がある。広告表示に使うかについては「現時点では使用しませんが、今後、お客様にとって有用な商品やサービスの提案ができるようになるか検討やテストを繰り返し、技術的倫理的に実用に足りると判断した場合に想定しております」(よくあるご質問より)としている。