「毎日いろんなことがある。頭がフル回転していて、選択肢を考え続けている。経営って面白い」−−。2014年8月8日に開催したソフトバンクの第1四半期の決算の冒頭で、同社の孫正義社長(写真1)はこのように話した。

写真1●冒頭、思わせ振りな発言をしたソフトバンクの孫正義社長
写真1●冒頭、思わせ振りな発言をしたソフトバンクの孫正義社長
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 2日前の8月6日、ソフトバンク傘下で米携帯電話3位の米スプリントは、同4位である米T-Mobile USの買収に向けた交渉を断念したと報じられた(関連記事:T-Mobile US買収を中断したソフトバンク、Sprint売却もあるか?)。この点について質疑応答で真っ先に質問が飛んだが、孫社長は「ソフトバンクとしては特定の会社の買収について、一度も正式なコメントはしていない。今回においても公式コメントはなし」とした。

 しかし冒頭の発言は、次の選択肢に向けて孫社長が頭をフル回転させている意味に取れる。

第1四半期決算は増収減益も「実質的には35%増の増益」と説明

 そうして始まった同社の第1四半期決算は、1時間以上にわたってグラフを駆使しながら勢いを誇示するこれまでの同社のスタイルから一変。わずか30分ほどで説明が終わるというあっさりしたものだった。