ドイツDeutsche Telekomの米国子会社T-Mobileは現地時間2014年8月6日、プリペイドサービスの利用者数で同社が米国首位に立ったと発表した。また、John Legere社長兼最高経営責任者(CEO)は「年末までに契約者総数で米Sprintを抜く」との目標を掲げた。

 T-Mobileが引用した直近の調査では、T-Mobileのプリペイド携帯電話サービスのユーザー数は1564万人となり、Sprintの1519万人を超えた。米AT&Tのプリペイドユーザーは1134万人、米Verizon Wirelessは604万人という。

 T-Mobileは2014年第2四半期にプリペイドとポストペイドを含む契約者数が150万人純増し、5四半期連続で純増ユーザーが100万人を突破した。業界全体の成長率を上回り、AT&T、Verizon、Sprintのいずれよりも急速な伸びを見せたとしている。

 米Chetan Sharma Consultingが同日発表した調査結果によると、米国モバイル市場におけるSprintのシェアは16%で、ユーザー数が減少傾向にある。一方、シェア15%のT-Mobileはユーザー数が増加している。Chetan Sharmaは、2四半期もしくは3四半期以内にT-MobileがSprintから米国3位の座を奪うと予測している(米PCWorldの報道)。

 T-MobileとSprintを巡っては、SprintがT-Mobileを1株あたり約40ドル(総額約320億ドル)で買収することで大筋合意したと今年6月に報じられたが、Sprintは8月6日、買収計画を白紙撤回し、戦略方針の転換に向けCEO交代を発表した(関連記事:Sprint、T-Mobile買収計画を白紙に、CEO交代を発表)。

 T-Mobileに対しては、フランスIliadが56.7%の株式を1株当たり33.0ドル(総額約150億ドル)で買収する対抗案を提示していたが、Deutsche Telekomは買収額が低すぎると難色を示し(関連記事:T-MobileがIliad買収案を正式拒否の見通し、買収額引き上げはあるか)、8月7日にこの提案を拒否した(英Reutersの報道)。

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