写真●FENICS II ビジネスWi-Fiサービスの概要(出典:富士通)
写真●FENICS II ビジネスWi-Fiサービスの概要(出典:富士通)
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 富士通は2014年8月5日、企業の無線LAN環境をクラウドを使って構築/運用するサービス「FENICS II ビジネスWi-Fiサービス」(写真)を発表、同日提供を開始した。無線LAN環境に必要な認証サーバーと無線LANアクセスポイント、さらに運用監視サービスを月額制で提供する。

 FENICS II ビジネスWi-Fiサービスは、無線LAN環境を構築/運用するサービスである。ユーザー企業のオフィスや店舗に無線LANアクセスポイントを貸与して設置する。富士通のデータセンター側には、RADIUS認証サーバーがあり、ユーザー認証を実施する。さらに、管理サーバーからアクセスポイントを一元管理する。

 アクセスポイントとデータセンターの接続には、富士通のネットワーク網サービスである「FENICS II」を利用する。ユーザー認証や一元管理の際に、FENICS IIを介してデータセンターにアクセスする。無線LANからインターネットへのアクセスや、無線LANから企業の社内LANへのアクセスにおいても、FENICS IIを介してこれらのネットワークにアクセスする形になる。

 認証サーバーを運用していく際に必要な、ユーザー認証データの登録/更新作業も富士通が実施する。ユーザーID/パスワードによる認証とクライアント証明書による認証が可能であり、これらの情報を認証サーバーに登録する作業や、アクセスポイントに対してクライアント証明書を発行/登録する作業も富士通が実施する。2014年12月には、現状のRADIUSに加えてActive DirectoryのログインIDを使った認証を可能にする。

 サービスの価格(税別)は、以下の通り。認証サーバーなどを提供する基本サービスは1社当たりのライセンスとなり、月額費用が6万8000円で、初期費用が6万8500円。アクセスポイントのレンタルと管理サービスはアクセスポイント1台当たりのライセンスとなり、月額費用が3600円から、初期費用が3万2000円。FENICS IIの通信サービス費用が別途必要になる。

 なお、2015年3月には、無線LAN電波によるデバイスの位置情報測位データを提供する予定である。これにより、店舗での来客者の導線や滞留情報の可視化、さらに工場における作業者へのナビゲーションなどに応用できるとしている。