米Appleは現地時間2014年8月1日、自社のWebサイト内にスプラッシュページを設け、「BeatsがAppleファミリーに加わることを正式に歓迎する」とのコメントを出した。これを受け、複数の海外メディアはAppleによる米Beats Electronics買収の手続きが完了したと伝えた。

 米Wall Street Journalなどの報道によると、この買収に伴いBeats Electronics創業者のJimmy Iovine氏とDr. Dre(Andre Young氏)はAppleに移籍する。またBeatsの音楽ストリーミング配信事業「Beats Music」の最高経営責任者(CEO)を務めるIan Rogers氏がAppleのiTunes Radio事業のトップに就任する。米CNETによると、Beats MusicとiTunes Radioは今後しばらく独立した事業としてサービスを継続するという。

 Appleは今年5月、Beats Electronicsを総額30億ドルで買収することで両社が合意したと発表した。当初、買収手続きの完了はAppleの2014会計年度が終わる9月末ごろになるとの見方もあったが、欧州委員会(EC)は7月28日にAppleによるBeatsの買収を承認した。また、フランスVivendiは8月1日、13%のBeats株を保有する傘下の米Universal Music Group(UMG)が、AppleにBeats株を4億400万ドルで売却したと発表した。この買収については米規制当局の承認も必要だが、すでにその承認も得られたのではないかと見られている(関連記事:欧州委がAppleのBeats買収を承認、「反競争的懸念はない」)。

 なお今回の報道に先立ち、約700人いるBeatsの従業員のうち、200人程度をAppleが削減すると報じられた。人事、財務、サポートサービスなど、Appleの業務と重複する従業員が対象になると伝えられたが、米ForbesなどによるとAppleは一定期間の雇用を約束した。重複事業の従業員については「できるだけ多くの人がAppleで永続的な職に就けるよう努力する」とAppleは述べたという。

[Vivendiの発表資料]