米Microsoftは現地時間2014年8月1日、韓国Samsung Electronicsを契約不履行で米ニューヨーク州南部の連邦地方裁判所に提訴したと発表した。SamsungがAndroid搭載端末に関するMicrosoftへのライセンス料の支払いを怠っているという。

 Microsoftは、契約に関して明らかに両社間に根本的な意見の相違があり、数カ月にわたる話し合いで解決できなかったため訴訟に踏み切ったと説明している。

 MicrosoftとSamsungは、2011年9月に法的拘束力のあるクロスライセンス契約を締結(関連記事:Microsoft、「Android」端末対象にSamsungとも特許ライセンス契約)。以来、Samsungは同社が製造するAndroidスマートフォンなどについて、Microsoftに知的資産のライセンス使用料を支払ってきた。Microsoftは同社の特許がAndroidに使われているとして、Samsung以外にも同様のライセンス契約を台湾HTCなどと締結している。

 しかしSamsungは2013年9月、MicrosoftがフィンランドNokiaの携帯端末部門を買収すると発表(関連記事:マイクロソフト、54.4億ユーロでノキアの携帯電話事業を買収)してから、同買収が両社間の契約条件に反するとの理由でライセンス料の支払を停止している。

 Microsoftは、Samsungが同買収によって契約が無効になるかどうか裁判所に判断を求めなかったことを指摘。また、契約締結時点ではSamsungのAndroidスマートフォン出荷台数は8200万台だったが2014年第1四半期には3億1400万台に拡大していることを挙げ、これほどまでに増加するとは思っていなかったライセンス料を支払いたくないために買収を口実にしていると、Microsoftは批判している。

 Microsoftは今回の訴訟で、契約に従ってライセンス料を支払うようSamsungに命じることを、裁判所に求めている。

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