写真●富士通 執行役員常務/CFOの塚野英博氏
写真●富士通 執行役員常務/CFOの塚野英博氏
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 富士通は2014年7月31日、2014年4~6月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比6.9%増の1兆686億円、営業損益は72億円の黒字(前年同期は107億円の赤字)。4~6月期としては、2010年4~6月期以来4期ぶりの営業黒字、売上高1兆円超えとなった。

 セグメント別では、PCや携帯電話などの売り上げを含めた「ユビキタスソリューション」が好調。売上高は前年同期比24.5%増の2689億円、営業利益は87億円の黒字(前年同期は170億円の赤字)となった。「PCは国内、海外ともにWindows XPのリプレース需要が前期に続き好調で、収益を押し上げた」と、同社執行役員常務/CFO(最高財務責任者)の塚野英博氏は説明する(写真)。

 SI(システムインテグレーション)やインフラサービスを含めたセグメント「テクノロジーソリューション」は、売上高が前年同期比4.5%増の7080億円、営業利益は114億円の黒字(前年同期は143億円の黒字)となった。「SI事業は、公共、金融向けが伸び、111億円の増収となった。前年度に比べて減益となっている理由は、前年度に海外年金の一部バイアウトで得た特殊利益分を本業の利益がカバーできなかった結果だ」(塚野CFO)という。

 同社は同日、再編を進める半導体事業についても説明。三重工場の300ミリ製造ラインと、会津若松工場の150ミリ製造ラインをそれぞれファウンドリー新会社として2014年中に分社するとした。

 さらに、半導体製造子会社の富士通セミコンダクターと、米オン・セミコンダクターが戦略的パートナーシップを締結し、米オン・セミコンダクターから会津若松工場の新会社に10%の出資を受けるという。出資額は約7億円。塚野CFOは、「半導体事業の再編は、これで8合目、9合目まできたイメージだ」と話した。

 2015年3月期通期の連結業績予想は売上高が4兆8000億円(前期比0.8%増)、営業利益は1850億円(同25.6%増)で据え置いた。