写真1●EMC VMAX3の外観
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写真2●米EMC、エンタープライズ&ミッドレンジシステム部門プレジデントのブライアン・ギャラガー氏
写真2●米EMC、エンタープライズ&ミッドレンジシステム部門プレジデントのブライアン・ギャラガー氏
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 EMCジャパンは2014年7月31日、ハイエンドストレージ「VMAX」の新モデル「VMAX3」(写真1)を発表した(写真2)。VMAX3では、サーバー仮想化ソフトの採用や処理能力の動的割り当てなどによって、ストレージ資源をクラウドサービスのように利用できるようにした。2014年第3四半期(7~9月)に提供開始する。価格(税別、以下同)は、約1380万円から。

 VMAX3は、ハイエンドSANストレージの新モデルである(関連記事:EMCジャパンがSymmetrix VMAXの購入を容易に、性能・容量の指定だけで領域を追加)。新モデルでは、ハイパーバイザー(サーバー仮想化ソフト)型の新OS「HYPERMAX OS」を採用した。

 新OSでは、ストレージのきょう体内に、複数のx86仮想サーバーを立ち上げることができる。汎用のPCサーバーと同様に、仮想アプライアンスやx86/Linux上のソフトウエアの形で、ストレージコントローラーの各種の機能を実現する。例えば、階層型ストレージ管理やNASゲートウエイ、バックアップ機能などをソフトウエアの追加によって強化できる。

 ストレージコントローラーの機能強化の予定としては、VMAX3からEMC DataDomainに直接データをバックアップできるようにする「ProtectPoint」を2014年第4四半期に提供する。これにより、外部のバックアップ管理サーバーを介する必要がなくなる。また、買収した米TwinStrataのクラウドストレージゲートウエイソフトを提供する予定。これを使うと、ストレージの階層としてAmazon S3などのクラウドストレージを組み込める。

 さらにVMAX3では、サーバーやアプリケーションに提供する個々のストレージサービスに対して動的にCPUコア数などの処理性能を割り当てるアーキテクチャー「Dynamic Virtual Matrix」を採用した。必要なアクセス性能と容量をサービスレベルとして指定しておけば、サービスレベルを維持するようにCPU資源やストレージ資源などを自動的に調整する。

 前提としてVMAX3では、サービスレベル(容量当たりのI/O性能)の制御機能を備えた自動階層化機能である「FAST VP」を備えている。これにより、シルバー/ゴールド/ダイヤモンドなどのサービスレベルを指定するだけで、ストレージの構成をサイジングすることなくストレージ資源を利用できる。