国民生活センターは2014年7月30日、「あなたの個人情報が漏れているので、削除してあげる」といった電話をかけてきて金銭をだまし取ろうとする詐欺が急増しているとして注意を呼びかけた(関連記事)。だまされて金銭を支払った人からの相談は126件で、平均の被害額は約218万円。1000万円以上の被害も9件確認されている。
個人情報の漏洩事件が相次いでいることを受け、国民生活センターや消費生活センターなどの公的機関をかたり、漏洩した個人情報の削除を持ちかける詐欺が増えている。国民生活センターによると、2012年度以降2014年6月末までに寄せられた相談件数は1347件で、2013年度から急増しているという(図1)。
既に金銭を払ったという相談は126件で、支払額の平均は約218万円。例えば、500万円以上1000万円未満は14件、1000万円以上は9件だった(図2)。
相談の一例は次の通り。「生活相談センター」を名乗る人物から、「あなたの個人情報が3カ所に漏れている。2カ所については削除できたが、1カ所(A社)については、代理の人の情報を登録しないと削除できない」という電話があり、ボランティア団体の人が代理人になってくれることになった。
すると、A社から連絡があり、自分に割り振られているという「番号」を教えられた。その後、代理人からその番号を聞かれたために教えたところ、A社から「番号を他人に教えることは違法行為になるため、(A社の)社員が逮捕された。保釈金として1000万円払え」と求められて、宅配便で現金を送ったという。
国民生活センターでは、公的機関が「個人情報を削除してあげる」などと電話をすることは絶対ないとして、そういった電話がかかってきたら、相手にせずにすぐ電話を切るよう呼びかけている。また、一度払ってしまった金銭を取り戻すことは極めて困難なので、絶対に払わないことが重要だとしている。
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