米Amazon.comは現地時間2014年7月30日、インドの事業を拡大するため20億ドルの投資を行うと発表した。インドで電子商取引サイト「Amazon.in」を開設してから1年間、顧客や小売業者から予想を超える反応があったため、追加投資を行い、規模の拡大とサービス強化を図るとしている。

 Amazon.comのJeff Bezos最高経営責任者(CEO)は発表資料で、同社のインド事業が10億ドルの総売上高達成に向けて順調に進んでいると述べている。「今の規模や成長率を考えると、インドはAmazon.comの事業の中で最も早く10億ドルに到達する市場」としている。

 Amazon.comは発表資料で投資の期間や対象など具体的なことは明らかにしていない。だが米New York Timesは、Amazonは新たに物流拠点を5つ開設し、収納・保管能力を倍増させる計画だと報じている。

 Amazon.comが「Amazon.in」を開設したのは2013年6月。当初は約700万冊の印刷書籍と1万2000タイトルのDVD/Blu-rayでスタートしたが、1年後の現在は家電、日用品、電子書籍、Kindle端末、音楽、ゲーム、アパレル、スポーツ用品など、約1700万点の商品を扱っている。

 ただ、米Wall Street Journalによると、インドでは小売業に対する外資規制があり、Amazon.comのインド子会社のような外資比率が51%を超える企業はマルチブランドリテール事業を行えない。そのため同社は現地の小売業者にWebサイト、倉庫、物流ネットワークといった電子商取引インフラを提供し、サービス料を得るというビジネスを展開している。

[Amazon.comの発表資料(追加投資)]
[Amazon.comの発表資料(Amazon.in開設)]