米IDCが現地時間2014年7月29日に公表した世界スマートフォン市場の調査によると、同年第2四半期(4~6月)の出荷台数は前年同期比23.1%増の2億9530万台となり、四半期の出荷台数として過去最高を更新した。

 世界のスマートフォン市場は第1四半期も好調だったが、引き続きモバイルコンピューティングに対する強い需要と低価格端末に支えられ、出荷台数は前四半期比で2.6%増えた。この傾向は今後も続き、第3四半期は初めて3億台の大台を突破するとIDCは予測している。

 IDCによると、第2四半期の実績はスマートフォン市場に多くの商機と勢いがあることを示した。次の四半期に出荷台数ランキングで5位以内に入る可能性があるメーカーは十数社あるという。また中国メーカーは市場平均を上回るペースで伸びており、とりわけ中国Huawei Technologies(華為技術)と中国Lenovo Group(聯想集団)の成長が目覚ましいという。

 第2四半期の出荷台数をメーカー別に見ると、韓国Samsung Electronicsが7430万台で、首位を維持した。米Appleは3510万台で2位。3位以降は、Huaweiの2030万台、Lenovoの1580万台、韓国LG Electronicsの1450万台と続いた。

 これらの中で、前年同期に比べた出荷台数の伸びが最も高かったのはHuaweiで、95.1%増。これにLenovoの38.7%増、LGの19.8%増、Appleの12.4%増と続いた。一方でSamsungの出荷台数は3.9%減少した。

 IDCによると、Samsungはスマートフォンの製品ラインアップが最も多いメーカーの1社。だが同社のシェアは前年同期から7.1ポイント低下している。Samsungが今後シェアを伸ばすには、地元メーカーによって支配されている中国などの新興国市場で弾みをつける必要があるとIDCは指摘している。

 またAppleにとって毎年第2四半期は販売が減速する時期。今年は画面サイズの大きなiPhone 6(通称)の登場が期待されており、季節要因の影響が強かった。ただ、iPhoneはBRICs市場で販売が伸びており、新興国市場で足場を固めているとIDCは分析している。

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