韓国Samsung Electronicsは、同社が中心となって取り組んでいるモバイルOS「Tizen」を搭載したスマートフォンのロシア投入を延期する。複数の米メディア(Wall Street JournalInfoWorldなど)が、現地時間2014年7月28日に報じた。

 Samsungは同日に発表した声明で、「Tizenのエコシステムをさらに増強する必要がある」と述べ、Tizen向けアプリケーションが不足していることを示唆した。Tizenの今後の計画やTizenスマートフォンの発売時期についての説明はなかった。

 同社は6月に、Tizenを採用した最初の商用スマートフォン「Samsung Z」を、2014年第3四半期にロシアで発売すると発表していた(関連記事:Samsung、Tizenスマホ「Samsung Z」をQ3にロシアで発売へ)。

 Tizenは当初、NTTドコモなどが2013年に搭載端末を導入する予定だったが、相次いで延期された。Samsungは「我々は戦略を変え、我々がうまくやっていける複数の国でTizenスマートフォンをリリースすることにした」と、今年4月に方針転換を発表。まずロシアのモスクワにおけるイベント開催中にリリースし、その後インドで発売する予定だと、5月に報じられた(関連記事:Samsung、Tizenスマホをロシアとインドに投入予定との報道)。

 しかし、150人ものTizen開発者が集まった7月11日のモスクワイベントで、同社は突如Samsung Zのリリースを取りやめた。Samsung Zの年内リリースは期待できないと見る向きもある。