米Appleが、ラジオアプリを手がける米国の新興企業、Concept.ioをまもなく買収すると米メディア(Re/codeWall Street JournalTechCrunchなど)が現地時間2014年7月28日に報じた。

 Concept.ioは、「Swell」というiOS向けアプリを開発、配信している企業。インターネットラジオのサービスは音楽専門の「Pandora」が知られているが、Swellはニュースやポッドキャストなど、トークコンテンツ専門のラジオアプリ。自動車を運転しながらでも手軽に扱える、簡素なユーザーインタフェース(UI)を特徴としている。ユーザーがコンテンツを聴いたり、コンテンツをスワイプしたりするとそれを学習。好みのものとそうでないものを判断し、それ以降の配信に反映させる。

 報道によると、Concept.ioの買収額は約3000万ドル。Concept.ioの創業は2012年で、本社は米カリフォルニア州マウンテンビュー。同社はこれまで720万ドルの資金を調達しており、米Googleの投資部門Google Venturesなどから出資を受けている。今回の買収契約に伴って、Swellのサービスは7月の最終週に終了する見込みという。

 Re/codeによると、Swellはファンから高い評価を得ているものの、新規ユーザーの獲得に苦戦している。一方、Appleは「Podcast」を提供しているが、同アプリのApp Storeにおける評価は星がわすか1.5個と低い。AppleがSwellの技術やサービスをPodcastなどの自社アプリに組み込む可能性があると、米メディアは報じている。

 なお、AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は7月22日の決算発表で、2014会計年度が始まってからの9カ月で、同社が29社を買収したことを明らかにした。また7月の第4週には、同社が書籍コンテンツの解析サービス企業、米BookLampを買収したと伝えられた(関連記事:Apple、書籍解析技術の新興企業を買収、iBooks Storeに技術を導入か)。