中国政府は、独占禁止法と関連して米Microsoftを調査しているようだ。Microsoftが現地時間2014年7月28日、中国の同社オフィスが中国当局の立ち入り調査を受けたことを認めたと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal米New York Times英Financial Times英Reutersなど)が報じた。

 Microsoftによると、中国国家工商行政管理総局(SAIC)の職員が同日、北京、上海、広州、成都にある同社の拠点を訪れたという。しかし、「慎重を期する問題であるため、これ以上はコメントできない」とし、詳細を明かさなかった。SAICは中国の企業関連法や独占禁止法に関する執行機関であるため、Microsoftが独占禁止法関連の調査対象になっていると考えられる。

 中国では、米Qualcommが現在、独占禁止問題で中国国家発展改革委員会(NDRC)の調査を受けている。独占的地位の乱用が確認された場合、Qualcommは10億ドル以上の制裁金を科される可能性がある(関連記事:中国当局がQualcommを「市場独占」と判断、制裁金を科されるおそれ)。

 昨年来、米政府による大規模な情報収集活動が次々と発覚していることを背景に、中国で事業を展開する米技術企業に対する風当たりは強くなっている。米政府が今年5月に中国人民解放軍の官僚5人をサイバースパイ行為で訴追した直後には、中国政府は中国中央省庁のコンピュータで「Windows 8」を使用することを禁じた(関連記事:中国、中央省庁が調達するコンピュータで「Windows 8」を禁止)ほか、国内銀行で導入している米IBM製サーバーを国内製品に置き換えるよう指示した(関連記事:中国政府、国内銀行からIBM製品を締め出しへ)ことなどが伝えられている。