写真●T3048-LY2Rの外観
写真●T3048-LY2Rの外観
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 ネットワールドは2014年7月24日、Cumulus Linuxのようなネットワークスイッチ構築用のLinux OSが動作する汎用スイッチ機器の新製品を発表し、同日発売した(写真)。開発会社は台湾のODM/OEMベンダーであるQuanta Computer。特徴は、「一般的なイーサネットスイッチの平均的な価格と比較して20%から70%安いこと」(同社)。参考価格(税別)は、10GbE×48ポートおよび40GbE×4ポートのモデルが99万円、40GbE×32ポートのモデルが159万円。

 開発会社のQuanta Computerは、台湾のODM/OEMベンダーである。今回ネットワールドが発売したスイッチ機器は、汎用のハードウエアを使って製造コストを低く抑えるとともに、ネットワークスイッチ構築用のLinux OSが動作するようにした“ベアメタルスイッチ”。この上で、米Cumulus Networksの「Cumulus Linux」や、米Big Switch NetworksのLinuxなどが動作する。

 主な特徴は、価格が安いことと、Linux管理者から見て扱いやすいこと。価格は「10GbEのポート単価が約2万円で、一般的なスイッチの半分から3分の1くらい」(同社)という。CPUは米Freescale Semiconductor製の「P2020」(PowerPCコア)、ネットワーク処理用のASIC(特定用途向けIC)は米Broadcomの「BCM56846」(Trident+)や「BCM56850」(Trident II)を採用している。

ONIE搭載でCumulus Linuxをダウンロード起動可能

 ハードウエアの仕様は、標準化団体である「Open Compute Project Foundation」(OCP)の仕様に準拠したという。さらに、OSのブートローダーの仕組みであるONIE(Open Network Install Environment)を搭載しており、OSの初回導入時やアップデート時に、ネットワーク(HTTP/TFTP)やUSBメモリーなどを介してOSイメージを入れ替えてブートできる。社内LAN上にOSイメージを置いておき、ここからOSをダウンロードする運用も可能。

 製品は、搭載ポートの違いに応じて、「T1000シリーズ」(1GbE)、「T3000シリーズ」(10GbE)、「T5000シリーズ」(40GbE)の3シリーズで構成する。このうち、ONIEを搭載してベアメタルスイッチとして利用できるモデルは、T3000シリーズの一つである「T3048-LY2R」(10GbE×48および40GbE×4)と、T5000シリーズの一つである「T5032-LY6」(40GbE×32)の2モデル。これ以外のモデルではQuanta Computerが開発したLinuxベースの高機能OS「Quanta OS」が動作する。

 ベアメタルスイッチ上で動作させるLinux(Cumulus Linuxなど)のライセンスについては、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が国内で扱っているライセンスを使うことができる(関連記事:汎用ハード/OSSでスイッチを構築、CTCがソフト「Cumulus Linux」を国内販売)。ネットワールドを介して購入できる。