NTTコミュニケーションズは2014年7月28日、フィリピン最大の通信事業者PLDT(Philippine Long Distance Telephone Company)とクラウド事業で協業すると発表した。フィリピンにおける同社の販売チャネルを活用して、企業向けクラウドサービスを売り込みたい考え。PLDTによるサービスの提供開始は、2014年9月以降となる。

 NTTコミュニケーションズがグローバルで提供するIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「Bizホスティング Enterprise Cloud」を、PLDTがフィリピン企業向けに販売する。単に卸販売するだけでなく、同社が手掛けるVPNなどのネットワークサービスと組み合わせて売り込む見通しだ。

 PLDTはフィリピンの固定・携帯通信事業者で、2013年度売上高は約1683億ペソ(約3955億円)。NTTグループが20%強を出資している。NTTコミュニケーションズのフィリピン事業は、グループ会社であるDiversified Technology Solutions International(DTSI)が担ってきたが、システム構築やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が中心だった。

 NTTコミュニケーションズはグローバルにおけるクラウド事業戦略として、ネットワークとクラウドを連携させた「キャリアクラウド」を標榜しており、PLDTとの協業はその一貫と見られる。現地最大手の通信事業者と組むことで顧客網を拡大し、2015年度にデータセンターとクラウド事業の売上高を2000億円以上に引き上げるという目標達成の一助とする考えだ。