音響機器メーカーの米Boseは、米Appleが買収を計画している米Beats Electronicsを相手取り、現地時間2014年7月25日に特許侵害訴訟を提起した。雑音除去に関する特許技術をBeatsのヘッドホン製品に侵害されたとしている。

 Boseがデラウエア州の連邦地方裁判所に提出した訴状(PDF文書)によると、問題としているのは5件の特許(米国特許番号「6,717,537」「8,073,150」「8,073,151」「8,054,992」「8,345,888」)で、Beatsの「Studio」および「Studio Wireless」ヘッドホンラインアップによって不正使用されたと主張している。Boseはこれら特許を含むノイズキャンセリング技術を、「QuietComfort 20(QC20)」をはじめとする自社ヘッドホン製品に採用している。

 Boseは、Beatsに侵害行為の禁止と損害賠償の支払いを命じるよう裁判所に求めている。米国際貿易委員会(ITC)にも同特許技術の侵害で苦情を申し立てているという。

 Beatsは5月に、Appleが同社を買収することで合意を結んだことを発表。Beatsはヘッドホンなどオーディオ製品のほかストリーミング音楽サービス「Beats Music」も運営している。Appleは総額30億ドルで両事業を獲得する(関連記事:AppleがBeats買収へ、ヘッドホン事業と音楽サービス事業を30億ドルで)。

 米メディアの報道(Ars Technica)によると、Boseは昨年もノイズキャンセリング特許を侵害されたとして米Able Planetを提訴したが、和解したと見られる。

[発表資料(PDF文書)]