米Amazon.comが現地時間2014年7月24日に発表した同年第2四半期(2014年4~6月)の決算は、売上高が193億4000万ドルとなり前年同期から23%増加した。純損失は1億2600万ドル(希薄化後の1株当たり純損失は0.27ドル)で前年同期の700万ドル(同0.02ドル)から拡大した。営業損益は1500万ドルの赤字となった。前年同期は営業利益7900万ドルを計上していた。

 事業別の売上高は、書籍や音楽/映像メディアなどを扱うメディア部門が48億4400万ドルで、前年同期比10%増。家電・日用品部門は132億7800万ドルで同27%増加した。Amazon Web Services(AWS)や広告事業などの「その他」部門が12億1800万ドルで同37%増えた。

 地域別の売上高を見ると、北米が119億9800万ドルで同26%増と急成長した。海外部門は73億4200万ドルで同18%増加した。

 営業経費は193億5500万ドルで、前年同期と比べ24%拡大した。売上原価、物流、マーケティング、技術基盤とコンテンツ、一般管理費のいずれも増加した。

 2014年第3四半期(7~9月)の業績見通しについては、売上高が197億~215億ドルの範囲で、前年同期比15%増~26%増と予測。営業損益は、8億4000万~4億1000万ドルの赤字を見込んでいる。

 なおAmazon.comは同日、独自スマートフォン「Fire」の予約者向け出荷を開始した。Fireは、実世界のさまざまなものを識別して同社のカタログと連携する「Firefly」などを特徴とする。価格は199ドルから(関連記事:Amazon.comの独自スマホ「Fire」、3Dセンサーシステムや即注文機能など)。

 Amazon.comはFireフォンなど新製品のリリース、物流サービスの拡大、電子書籍レンタルやビデオストリーミングサービスの強化などに注力している。投資家は長い間、利益より開発やサービス拡充に資金を投じる同社の方針を許してきたが、今回の決算発表で忍耐力も尽きつつあるようだと米Wall Street Journalは報じている。第2四半期の売上高はアナリスト予測(193億ドル)に達したものの、純損益はアナリスト予測(1株当たり純損失0.15ドル)を大きく超える赤字となり、これを受けて同社の株価は時間外取引で約10%下落した。

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