写真●国民生活センターの情報
写真●国民生活センターの情報
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 国民生活センターや東京都は2014年7月22日および23日、ベネッセコーポレーションからの個人情報漏洩に便乗したとみられる怪しい電話が報告されているとして注意を呼びかけた(写真)。「あなたの個人情報が漏洩しているので削除してあげる」などといって、個人情報を聞き出したり、金銭を要求したりするという。

 国民生活センターに寄せられた相談の一つは、「消費生活センター」をかたった不審な電話。「ベネッセの情報漏洩の件で、あなたの情報が流出していないか確認している」と言った後、特定の企業と取り引きがないか聞いてきたが、途中で電話が切れたという。

 そのほか、「ベネッセの名簿にあなたの名前が載っている。このままでは口座を凍結される」といった不審な電話に関する相談も寄せられている。「折り返し電話をする」と言ったら、ある電話番号を教えられたが、どうすればよいのか分からず、国民生活センターに相談したとしている。

 東京都が公表した事例では、東京都の生活文化局 都民生活部 地域活動推進課をかたって、個人情報を聞き出そうとするという。例えば、「あなたの個人情報が漏洩しているかを確認したいので、質問にお答えください」と電話をかけてきて、ネット通販関連の特定企業に登録しているかなどを聞き出そうとした。

 もう一つの事例では、同じく地域活動推進課の職員をかたって、「あなたの登録している情報が有名企業数社から漏洩している。漏洩した情報を削除するためには、代わりの人を登録しなければならない。登録できそうな知り合いがいないか」などと言って、削除することを名目に、知り合いの個人情報を求めてきたという。

 国民生活センターでは、「あなたの個人情報が漏れているので、削除してあげる」などと電話をかけてきて、最終的にお金をだまし取る詐欺が最近増えているとして、十分注意するよう呼びかけている。

 東京都では、都がこのような電話をかけて個人情報を求めるということは一切ないとして、不審な電話は相手にせず、絶対に個人情報を教えないよう注意喚起している。