日立ソリューションズ(日立Sol)は2014年7月23日、これまで製品ごとに販売窓口が分かれていたファイルサーバー関連製品群の販売窓口を一元化する販売施策「ファイルサーバ運用管理ソリューション」(写真)を発表、同日開始した。複数の製品を組み合わせて購入できるため、ファイルサーバーに関する課題をまとめて解決できるようになった。価格は個別見積もりだが、NASストレージとソフトウエアライセンスが合わせて300万円程度から。クラウドサービスの形態の場合は月額10万円程度から。
ファイルサーバーの運用コストを削減するための製品群を、単一の販売窓口から一緒に購入できるようにしたサービスである。日立Solのファイルサーバー関連ソフトウエア3種類と、日立製作所のNASストレージ1種類が中核となる。これらは従来、製品ブランドごとに販売窓口が独立していた。今回、派生サービスを含めてまとめて購入できるようにした。需要に合わせて必要な製品だけを組み合わせて購入できる。
NASスリム化、Amazon S3退避、運用効率化などで構成
販売する製品群は以下の通り。
まず、ファイルサーバーとして機能するNASストレージとして、日立製作所の「Hitachi Virtual File Platform」(VFP)を中核に据える(関連記事:日立製作所、ニアラインSAS採用で36Tバイトに拡大したエントリーNAS)。VFPは、複数のNASを束ねて論理的に1台のNASとして運用するストレージ仮想化ゲートウエイ機能を備えたNASストレージである。
ファイルサーバーの運用コストを削減するソフトとしては、日立Solのソフトウエア3種類を用意している。
(1)「MEANSファイルサーバスリム化ソリューション」は、不要ファイルの削除を促すことでファイルサーバーのデータ量を削減するソフトである(関連記事:日立ソリューションズ、操作を半自動化したNASスリム化ソフトの新版を発表)。容量のスリム化につながる。
(2)「活文Hybrid Storage Manager」は、ファイルサーバー上にあるファイルのうちアクセス頻度が低いものを自動的にAmazon S3に移動させるソフトである(関連記事:アクセス頻度が低いファイルはクラウドへ、NAS容量を削減するソフト)。Amazon S3の利用料を含んだ形で日立Solが販売する。容量のスリム化につながる。
(3)「活文File Server Access Controller」は、ファイルサーバーのアクセス権限を現場の運用担当者みずからWebブラウザーで設定できるようにするソフトである(関連記事:日立ソリューションズがNASのアクセス権限を現場でメンテするソフト)。運用管理の効率化につながる。
ログ収集管理やアーカイブストレージも用意
情報漏えい対策としては、網屋のログ収集ソフト「ALog ConVerter」も販売する(関連記事:網屋がアクセスログ管理ソフトに新版、クライアントPCも管理可能に)。なお、前述のMEANSファイルサーバスリム化ソリューションは、不要ファイルの判断にALog ConVerterのログを利用できる(関連記事:日立ソリューションズ、NASスリム化ソフト新版で不要ファイルの判断を強化)。
前述のNASストレージ(VFP)とコンテンツアーカイブ用のストレージ「Hitachi Content Platform」を組み合わせた提案型のシステム「Cloud on-Rampソリューション」も販売する(関連記事:日立製作所が中小企業向けにクラウドストレージ特化のNASヘッド、NSWが年内にサービス提供)。VFPを介してデータをオンラインストレージサービスなどのアーカイブストレージに格納できるようにする。