図●MobileIron Cloudの機能一覧
図●MobileIron Cloudの機能一覧
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 MDMなどを手掛ける米MobileIron(モバイルアイアン)が、クラウド版のMDMサービス「MobileIron Cloud」を開始する()。2014年8月1日から、日本国内を含め世界中で開始する予定である。

 MobileIron Cloudでは、MDMの機能に加えて、業務アプリを管理する「MAM(Mobile Application Management)」や、ファイル配信機能などの「MCM(Mobile Content Management)」の機能を備える。同社はこれらMDM/MAM/MCMという三つの機能を総称して、「EMM(Enterprise Mobility Management)」と呼んでいる。

 同社VP of Sales North Asia & Japanの柳下幹生氏は、「クラウド版のMDMは国内でも多くあるが、EMMのクラウドサービスは当社以外にほとんどない」と語る。

 MobileIronは、これまでもオンプレミス版とクラウド版、両方のEMMを手掛けてきた(関連記事:MDMのMobileIronがiOS 7に対応へ)。しかし、従来のクラウド版の「Connected Cloud」は、同社のオンプレミス版のEMMソフトをクラウドにホスティングしたのみで、特にクラウドに最適設計したものではなかった。今回のMobileIron Cloudは、クラウド向けに新規に設計。数万台規模のモバイル端末の管理が可能という。管理メニューも全て日本語化した。

 月額料金は1デバイス当たり450円(ベンダーとしての推奨価格)である。MobileIron Cloudのデータセンター(DC)は日本国内に置いているという。欧州や北米にもDCを置いており、障害対策や災害対策はグローバル規模で可能である。

 大企業での利用を想定し、MDM管理下の端末であっても従業員が端末を管理できる「エンドユーザーポータル」や、企業内の事業部ごとの管理者などに管理権限を委譲できる「権限委譲」の機能などを用意した。エンドユーザーポータルでは、端末紛失時に従業員が自ら端末のロックやワイプなどが可能。権限委譲では、事業所単位や部門単位のIT管理者に、デバイス管理やポリシー設定の権限を与えることができる。

 このほか、北米地域では、米アップルがキッティングを不要にするサービスとして提供している「DEP(Device Enrollment Program)」にも対応済みという(関連記事:アップルがiOS機にキッティング不要の新サービス、日本でもまもなく開始か)。