日本の会計基準設定主体であるASBJ(企業会計基準委員会)は2014年7月18日、日本版IFRS(国際会計基準)、J-IFRSなどと呼ばれる「エンドースメントされたIFRS」の策定に向けて議論する「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」の第17回会議を開催した。

 日本版IFRSの公開草案作成に向けた議論は今回で終了。近く開催されるASBJの親委員会による承認を経て、公開される。2013年8月から1年近くを費やして議論してきた日本版IFRSの姿が、いよいよ一般に明らかになる。

「のれん」と「当期純利益/リサイクリング」を削除/修正

 エンドースメントされたIFRSは、IFRSそのもの(ピュアIFRS)を構成する基準一つひとつを検討し、必要に応じて削除または修正したものを指す。金融庁が2013年6月19日に公表した報告書「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」でIFRS任意適用促進策の一つとして示した(関連記事:「強制適用の判断見送り、我が国に適したIFRS策定」、金融庁が報告書)。

 2014年5月12日に開催した第12回会議で、IFRSに対する削除/修正について「(ピュアIFRSを)可能な限り受け入れるのが前提。十分な検討を尽くしたうえで、基本的な考え方や実務上の困難さの観点から『なお受け入れがたい』との結論に達したもののみを削除/修正する」との方針を打ち出し、「のれん」と「当期純利益/リサイクリング」に絞って検討していく方向性を示した(関連記事:ASBJがJ-IFRS草案に向け方針整理、基準の削除/修正は「必要最低限」)。

 これを受けて、5月22日に開催した第13回会議以降は、「のれん」「当期純利益/リサイクリング」を削除/修正すると仮定した場合の公開草案の仕様について議論している(関連記事:「日本版IFRS」公開草案に向け最終段階へ、ASBJが作業部会開催)。