ノベルは2014年7月15日、OSSのクラウド基盤構築用ソフトウエア「OpenStack」の最新動向および、同プロジェクトに関連するSUSE事業部の取り組みについて紹介する記者向け説明会を都内で開催した。

写真1●日本仮想化技術の玉置伸行氏
写真1●日本仮想化技術の玉置伸行氏
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 説明会の冒頭で登壇したのは、海外を含めたOpenStackの動向に詳しい日本仮想化技術のエンジニア玉置伸行氏(写真1)である。玉置氏は、5月に米国アトランタで開催されたOpenStack開発者向けイベント「OpenStack Summit 2014 Atlanta」の出張報告を行った。

 出張報告の中で玉置氏は、OpenStackに関する現在の注目ポイントとして、(1)OpenStack Summitの参加者数の伸び、(2)OpenStackが提供するクラウド基盤の上下層でベンダー間の激しい開発競争が始まったこと、(3)通信事業者が通信機器の機能を仮想化するNFV(Network Functions Virtualization)向けの基盤としてOpenStackの採用を本格検討し始めたこと---の3点を挙げた。

米ではOpenStackエンジニア募集が1年で約3倍に増加

写真2●米国のエンジニア求人サイト「engineerjobs.com」におけるキーワード別求人件数
写真2●米国のエンジニア求人サイト「engineerjobs.com」におけるキーワード別求人件数
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 (1)については、2012年4月の初回イベント開催以降、年を追うごとに参加者が増加していることなどを紹介。IT分野におけるOpenStackへの関心が着実に高まっているとした。これを裏付けるデータとして同氏は、独自に調査した米国のエンジニア求人サイト「engineerjobs.com」におけるキーワード別求人件数のデータを示した(写真2)。

 「キーワードにOpenStackが入った求人件数を調べたところ、7月9日調査時点で1458件あった。昨年同時期は500件ほどだったので、わずか1年で約3倍へと急増している」(玉置氏)。