日本IBMは2014年7月14日、シンガポールとタイに「グローバル・ビジネス戦略室」を設置したと発表した。ASEANへの進出やビジネス拡大を目指す日系金融機関や製造業を支援するのが狙いだ。現地の商習慣や規制を考慮したシステム構築などを請け負う。

 2014年4月に金融機関向けにシンガポール、同7月には製造業向けにタイのバンコクに設置した。規模は非公開だが、日本IBMの海外拠点と位置づけ、日本人の営業やコンサルタント、エンジニアが常駐する。各国IBMとの連携も進めるという。

 従来、ASEANに進出した日系企業に対する現地の窓口は、各国のIBMが担ってきた。現地拠点同士で商談などが完結するケースも多かったという。ところが顧客企業では、日本本社がグローバルでの全体戦略の一環として、現地拠点のIT施策を推進する傾向が強まりつつある。日本IBMは、同社が一貫して支援できる体制を構築し、こうした顧客ニーズの取り込みを図る。

 金融機関向けには、現地の規制に応じた決済の仕組みのコンサルティングやシステム構築、モバイル決済の展開などをサポートする。製造業向けには、販売や製造の拠点設立に伴う基幹系システムの構築、マーケティングや生産工程などにおけるビッグデータ分析などを手掛けるという。