日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2015年1月15日、上場企業とそれに準じる企業を対象に実施した「企業IT動向調査2015」のIT予算に関する速報値を発表した。2015年度のIT予算を前年度より「増やす」企業の割合は42.0%で、「減らす」(18.2%)を20ポイント以上も上回った(図1)。

 2014年度計画と2015年度予算を比較すると、予算を増やす企業の割合は変わらないものの、前年度比で「10%以上増加」する企業の割合は下がった。その一方で、IT予算を減らす割合も減少、特に「10%以上減少」する割合が大幅に下がった。全体で見るとIT予算は増加傾向にあり、ユーザー企業各社は引き続き積極姿勢でIT活用を推進していくとみられる。

図1●IT予算の増減
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図1●IT予算の増減
出所:日本情報システム・ユーザー協会

 特にIT投資に積極的なのが、売上高が1000億円未満の中堅中小企業だ。IT予算を「増やす」割合から「減らす」割合を差し引いて求めた指標(DI)を見ると、大手は10ポイント(pt.)程度であるのに対し、中堅中小企業では30pt.に迫る(図2)。DIが最も高かったのが売上高100億~1000億円未満の層だ。2015年度予測のDIは29.5pt.で、2014年度計画よりも11.8pt.上昇した。中堅中小企業において、ITによる企業競争力強化を積極的に推し進めようという姿勢が見て取れる。

図2●IT予算の増減(売上高規模別)
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図2●IT予算の増減(売上高規模別)
出所:日本情報システム・ユーザー協会