世の中から「売り切れ」と「在庫処分セール」が無くなる日が見えてきた。主役はAI(人工知能)。商品やサービスをいくらで売れば最ももうかるのかを計算し、需給に応じて価格を変幻自在に操る動きが出てきた。売り切れによる機会損失と過剰在庫によるロスを減らせれば、企業は収益を劇的に増やせる。「そんなうまい話が」と疑うだけではAI活用に後れかねない。全ての企業にとって永遠の課題と言える「値付け」の最前線に迫る。
連載
最適価格はAIに聞け---目次
「値付け」変幻自在、利益最大化
金子 寛人、清嶋 直樹、中田 敦=シリコンバレー支局
目次
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ローソンが挑む「一物多価」
定価販売が原則のコンビニ業界でローソンが新たな売り方に挑み始めた。ITを駆使した次世代店舗に動的な価格設定ができる仕組みを導入。固定的だった「値付け」に自動化の波が押し寄せている。
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買い時は百人百様 最適な「時価」で売る
スタジアムや航空機の座席は場所や購入のタイミングにより価格が異なることがある。この価格決定プロセスにAIを取り入れ磨きをかける動きが出てきた。その時々の適正価格、いわば「時価」が売り上げを最大化し、顧客満足度を高める。
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中古品の査定もAIにお任せ
中古車や中古衣料品は同じモノでも条件次第で価格が異なる商品の代表例だ。品目数は膨大なうえに、値付けの条件が複雑なためその作業は煩雑極まりない。人が苦労していた中古品の査定にまでAIが入り込んでいる。
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支援ツールが充実 問われる活用力
AIと機械学習を使って機動的な価格設定を支援するツールが登場している。値付けは売り上げを左右し、顧客満足度にも影響する最重要な戦略。判断をIT任せにしないよう、ツールを使いこなす手腕が問われる。
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米シェア大手が探る価格調整の進化形
動的でリアルタイムな価格調整は、米国のシェアリング大手の得意技だ。その目的は利益の最大化と顧客満足度の向上だけではない。サービス供給者のモチベーションも高めるなど一歩進んだ価格調整の在り方を探り始めている。
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