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NTTの4~9月期決算は減収増益、ドコモと東西が増益に貢献

ニュース

写真1●2016年4~9月期連結決算を発表するNTTの鵜浦博夫社長
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 NTT(日本電信電話)は2016年11月11日、2016年4~9月期連結決算(米国会計基準)を発表した。売上高は前年同期比1.2%減の5兆5243億円、営業利益は同26.3%増の9265億円と、減収増益だった。減収は為替の影響が大きい。増益は減価償却方法の変更による効果に加え、地域通信事業や移動通信事業が大きく貢献した。

 地域通信事業は減収傾向が続くが、776億円の増益を記録した。光回線の卸提供「光コラボレーションモデル」へのシフトに伴う営業費用の削減、運用や保守の効率化、減価償却方法の変更による利益拡大が著しい。NTT東日本の営業利益は前年同期比21.4%増の1237億円(進捗率は70.7%)、NTT西日本は同89.9%増の712億円(同83.8%)となり、両社ともに通期目標を100億円上方修正した。フレッツ光の純増数も前年同期比12万5000件増の44万5000件と好調に伸び、NTT東日本は純増数の通期目標を10万件上方修正した。

 長距離・国際通信事業は、NTTコミュニケーションズグループが148億円の増益となったが、グループに分散していたセキュリティ事業をNTTセキュリティに統合したことで100億円程度の減損処理を実施。南アのディメンションデータにおける構造改革(不採算エリアからの撤退やサービスデリバリーの統合など)なども実施したため、54億円の減益だった。

 移動通信事業はNTTドコモの決算、データ通信事業はNTTデータの決算で既報の通りである。

 2016年4~9月期の海外売上高は前年同期比6.6%減の8684億円、海外営業利益は同4.7%減の369億円と、減収減益だった。ただ、ドルベースでは増収増益(売上高は同3.2%増、営業利益は同5.3%増)であり、為替影響は売上高で1090億円、営業利益で40億円あったという。

 上記の結果を受け、2017年3月期の通期予想も修正した。売上高は米デルのITサービス部門(Dell Services部門)の取り込みが遅れたことに加え、為替影響も拡大しているため、従前比400億円減の11兆4100億円に引き下げた。一方、営業利益は地域通信事業と移動通信事業で上積みを見込め、従前比400億円増の1兆4700億円に引き上げた。

中期目標の達成は海外営業利益がネック

 2018年3月期を最終年度とした中期目標の進捗を見ると、EPS成長(1株利益)や設備投資の効率化、コスト削減については順調そのもの。だが、海外売上高/営業利益に関しては苦戦が続く。

 売上高はデルのITサービス部門の連結で一気に上積みを見込めるとしても、問題は営業利益である。売り上げの拡大とコスト削減の両面で対処していく構えだが、コスト削減の取り組みが遅れている。アナリスト向け決算説明会では鵜浦博夫社長からも「来年度にどんと成果を上げられるかというと厳しいが、その次の年度には間違いなく達成できると考えている」と弱気なコメントがこぼれた。

写真2●中期目標の進捗状況
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 足を引っ張っているのはディメンションデータである。従来の顧客獲得重視から利益重視に転換を進めるが、2016年1~6月期の営業損益は83億円の赤字だ。これには前述した構造改革の費用(約50億円)が含まれるものの、かなり厳しい状況である。

 アナリスト向け説明会によると、取り組むべき施策はほぼ見えており、目標自体の達成には自信があるという。ただ、実行には一時的な追加費用が発生するほか、人材流出のリスクも伴う。どうしても慎重にならざるを得ず、1年遅れが濃厚ということのようだ。

 興味深いのは、鵜浦社長がディメンションデータの構造改革を2つのステップに分けて考えていると言及した点である。「第1ステップは早々に終える。ここで一時的な費用はかかるが、その先は急展開で利益の拡大が進む。さらに第2ステップで飛躍的な改善を進めるが、もっと慎重に実施しないといけない」とした。

 その一方で、「NTTコミュニケーションズとディメンションデータの重複関係を整理していく。実施のタイミングを慎重に決めたい。国内であれば乱暴にできるが、海外は優秀な人材を失いたくない」とも発言している。

 この2つの発言を総合すると、第2ステップは「NTTコミュニケーションズとディメンションデータの重複関係の整理」と推測される。さらに「優秀な人材を失いたくない」は、NTTコミュニケーションズとディメンションデータの将来的な合併を示唆しているようにもとれる。

 このほか、アナリスト向け説明会では、自己株取得について「本日の取締役会では付議しなかったが、近いうちの取締役会では」、増配について「来年度は上場30周年であることを意識した取り組みを進めようと頭の中で考えている」といった発言も飛び出した。

榊原 康=日経コミュニケーション

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