システム構築プロジェクトの成功率、システム障害の発生頻度、「多重下請け構造」というビジネス形態に関する意識、SEの人月単価、平均給与、CIO志望率、ビッグデータ活用度―。本誌は、ユーザー企業のシステム部門やITベンダーで働く人々に独自調査を実施。様々な観点から情報システムを巡るリアル(実情)に迫った。
データを見ると、回答者の多くが仕事にやりがいを感じている。「3K(きつい・厳しい・帰れない)」職場などと自虐的になる必要はない。だが見直すべきところはある。データで事実を押さえ、改善すべき点を明確にし、優先順位を付けて手を打とう。
CONTENTS
- part1 開発編:高い成功率も油断は禁物
プロジェクト成功率は75%
「4:5:6:5」の法則、“地雷”は全工程に
アジャイル開発、「試みず」が8割弱
ITベンダー、6割がオフショア未経験 - part2 運用編:システム障害、大手ほど多発
「この1年間で重大な障害あり」は3割強
セキュリティ担当者は「優秀」が5割以下 - part3 ビジネス慣習編:多重下請けと人月単価の今
多重下請けに「問題はない」は3%
SEの人月単価、相場は103万円
6割が「勘・経験」で工数見積もり
ソリューション提案、「実践」が6割弱
ユーザーの約半数がIT中期計画を明文化 - part4 ハード・ソフト編:そろそろリプレース?
基幹系アプリの利用、「15年以上」が最多
4割がメインフレーム/オフコンを利用
ERP「利用していない」が45%
5割超がスマホ/タブレットを導入 - part5 サービス編:ビッグデータ、夜明け前
ビッグデータ活用に「本腰を入れず」が8割
ビッグデータで儲けるITベンダーは6%
パブリッククラウド、「利用」は半数
ITベンダーはクラウドに好意的
フルアウトソーシングに「満足」は2%
ITベンダーの4割はOSSを提案・活用せず - part6 処遇編:やりがいはあるが不満
ITの仕事、平均年収は720万4000円
給料・処遇に「不満」が過半数
月間平均残業は約30時間
システムの仕事、6割がやりがい感じる - part7 キャリア・スキル編:4人に1人がCIOを目指す
「CIOになりたい」は24%
課題は人手よりもスキルの不足?
女性社員の登用、「進んでいる」が65%
8割弱が業務知識の習得に励む
取得して良かった資格、「特になし」が7割に - part8 展望編:成長と衰退の瀬戸際に
仕事のイメージ、「保守」が最多に
システム部門の価値、「現状のままでは低下」
IT産業、「緩やかに成長」が6割 - 自由意見:生き残れるか、将来に不安
システム部門の弱体化
IT業界に垂れ込める闇
IT人材の苦悩
日経BP社と日経BPコンサルティングが、日経コンピュータやITproをはじめとする日経BP社のIT系メディアや日経BPコンサルティングが所有する調査モニターを対象に、「システムの仕事に関する『実情(リアル)』調査」を実施した。調査期間は2014年8月28日~9月8日。日経BPコンサルティングのインターネット調査システム「AIDA」を通じて、3069件の有効回答を得た。内訳は、(1)「ユーザー企業のシステム部門の所属者」が1382件、(2)「ユーザー企業のシステム子会社の所属者」が393件、(3)「ITベンダーの所属者」が1144件、(4)「IT・経営コンサルティングの所属者」が150件だった。本特集では、(1)(2)を「ユーザー企業」(合計1775件)、(3)(4)を「ITベンダー」(合計1294件)の回答者として表記した。