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 「未開発の資源」。主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)が2013年6月に合意した「オープンデータ憲章」では、オープンデータのことをこう呼ぶ。

 オープンデータとは、政府や地方自治体などが保有するデータを商用目的も含めて二次利用できるようにしたもの。世界の主要な政府は競うようにデータを公開し、新たな資源として民間企業や個人に活用を促している。

 オープンデータの活用が広がれば、行政サービスの透明性の向上や効率化につながるだけではない。社会やビジネスに新たな価値をもたらす可能性がある。日本でも2014年10月1日、政府の省庁などが持つ公共データを横断的に検索できる「データカタログサイト本格版」がスタートした。データを活用した新たなビジネスの創出を目指している。

 オープンデータ関連ビジネスは、天然資源に関するビジネスと同様に多岐にわたる。原油からプラスチック製品を作る過程に、原油を採掘して輸送、精製、製品加工といった工程があるように、オープンデータ関連ビジネスも大きく分けて「データ提供支援」「データ活用支援」「データ活用」の3つの工程がある。日本郵政グループや大日本印刷、jig.jpなど多彩な業種の企業が参入している。

 オープンデータを活用した、従来になかったビジネスモデルも登場している。ノウハウさえあれば、データの提供支援を手がける企業がデータの活用支援もできる。

 こうした中でオープンデータ関連ビジネスの中には、既に市場の開拓競争が始まっている分野もある。オープンデータを有効活用できるかどうかが、企業の競争力を左右する。まずは国内でデータ活用ビジネスを手がける企業の戦略を紹介しよう。

大豆生田 崇志

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