仮想通貨の信頼性を担保する「ブロックチェーン」を検証したり更新したりする作業のこと。こつこつ作業して時々報酬として仮想通貨を得られる様子が採掘作業を連想させることから、マイニング(採掘)と呼ばれる。

 ビットコインなどの仮想通貨は、不正防止に「ブロックチェーン」と呼ばれる仕組みを実装している。これは過去の取引記録を全て保存したデータベースだ。

 取引が行われるとその内容をブロックチェーンに反映し、検証する作業が発生する。特定の管理者がいない仮想通貨ではこの管理も利用者任せだ。ブロックチェーンの更新/検証作業は誰でも参加できるP2Pネットワーク上で行われる。膨大な計算を行って条件に合う結果をいち早く見つけたユーザーだけが作業でき、その報酬として仮想通貨を得る。この追加/検証作業で報酬を得ることを、金の採掘に見立てて「マイニング」と呼ぶ。

 マイニングはもともと一般的なパソコンで行われていたが、報酬目当ての参加者が増えるにつれて、より計算能力の高いGPUや仮想通貨採掘専用ASICを使った大規模な手法が主流になりつつある。

 マイニングの参加者が増えれば報酬を獲得しづらくなる。また最終的な利益は仮想通貨の取引レートにも左右されるので、長期間の収益を正確に予測するのは難しい。また運用費用の大部分を電気料金が占めるので、日本よりも電気料金の安い海外で行う方が有利だ。

 2017年9月にGMOインターネットとDMM.comが相次いで仮想通貨のマイニング事業に参入すると発表した。GMOインターネットは独自開発する専用チップを使い、電力料金の安い北欧にマイニングセンターを開設する。センター設備の資金をユーザーから調達し、その収益を配分する「クラウドマイニングサービス」を提供する予定だ。DMM.comもクラウドマイニングサービスを提供予定で、採掘量で世界3位以内の規模を目指す。

「CryptoCompare」ではマイニングの収益を計算できる。画面の構成では毎月約211米ドル(約2万4000円)の利益が出るので、初期投資分も約10カ月で回収できる見込み。実際の利益は仮想通貨の価格変動などの影響も受けるため、あくまで目安にすぎない
「CryptoCompare」ではマイニングの収益を計算できる。画面の構成では毎月約211米ドル(約2万4000円)の利益が出るので、初期投資分も約10カ月で回収できる見込み。実際の利益は仮想通貨の価格変動などの影響も受けるため、あくまで目安にすぎない
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