米国発のスマートフォン向け写真・動画共有アプリ。相手に送った写真や動画が一定時間を経過すると“消滅する”のが最大の特徴。写真や動画を加工する機能が人気で、日本でも10代を中心に利用者が増えている。

 「Snapchat(スナップチャット)」は2011年、当時米スタンフォード大学の学生だったエヴァン・シュピーゲル氏らによって開発されたスマートフォン向けの写真・動画共有アプリで、iOS、Androidに対応する。アプリ内に「ストーリー」と呼ばれる友人とのコミュニケーションボードを備えており、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)としても機能する。発表直後から米国の10代を中心に人気に火が付き、急速にユーザーが増加。2015年12月時点で1日当たりのアクティブユーザー(実利用者)数が1億人を超え、現在では代表的なSNSの一角を占めるまでに成長した。

 最大の特徴は、相手がメッセージを閲覧して一定時間経過すると、そのメッセージが“消滅する”点にある。このメッセージは「スナップ」と呼ばれ、消滅時間は1秒から10秒まで設定可能。ただし24時間以内であればストーリーのタイムラインで閲覧できるため、友人がどのような投稿をしたかを確認できる。

 10代に受け入れられた理由は、まさにこうした手軽なコミュニケーションにある。送ったメッセージの痕跡は残したくないが、自分の個性を主張して即時的なやり取りを楽しみたいといったニーズに合致した。さらに動画や写真に落書き調のペイントを加えたり、顔を加工したりといった機能が若年層の利用を促進。2016年に入ってからは日本でもユーザーが増えている。

 一方、2016年7月のアップデートでは保存機能の「メモリ」を追加するなど、これまでとは180度異なる方向転換を図った。これが主力ユーザーに受け入れられるかどうかは不透明だが、資金調達に力を入れているとの報道もあることから、新たな展開を模索しているようだ。

●10代を意識したポップな画面
●10代を意識したポップな画面
Snapchatの撮影画面。撮影した素材をキャンバスにして、文字やエフェクトを重ねていく(出典:Snapchat https://support.snapchat.com/ja-JP/a/press)