屋内や地下街など、「GPS」(全地球測位システム)の電波が届かない場所でも現在位置を測位できる技術。大型の屋内施設、空港や駅構内での現在地確認/ナビゲーションなどに活用できる。
GPSの電波が届かない地下街やショッピングモールなどの屋内でも、屋外同様に地図アプリを利用したいというニーズに対応する技術が屋内測位だ。
スマートフォンの地図アプリでは通常、GPS、携帯基地局からの電波、周辺の無線LANアクセスポイント情報を用いた3種類の測位方法を組み合わせて測位している。GPSは汎用的で精度も高いものの、電波が届かない屋内や地下街では利用できない。
携帯基地局からの電波と無線LANアクセスポイント情報を用いる測位方法は、屋内でも利用可能だ。ただし単体では周辺環境による影響が大きく、精度良く測位するには屋内向けの測位システムと組み合わせる必要がある。
ヤフーの地図アプリ「Yahoo!地図」は、フィンランドの企業が開発した地磁気を使った屋内測位方式に対応した(図)。これは建物の鉄骨や構造物の影響を受けて場所ごとに異なる地磁気の特徴をデータベース化し、スマートフォンの測定結果と突き合わせることで屋内の現在地を割り出す方式だ。あらかじめデータベースを作成する手間は必要だが、誤差は数メートル程度しかなく精度が高いという。
屋内や地下街にあらかじめ設置しておいたビーコンを検知して場所を特定する方式も利用が広がっている。こちらの測位方式も誤差が少ないので、特定の展示物の説明を自動的に表示させたり、具体的な商品のプロモーションに活用したりできる。