フルハイビジョン(フルHD)の約16倍、4Kの約4倍の画素数を誇る次世代の映像規格。2018年から4Kとともに実用放送が始まり、東京2020オリンピック・パラリンピックを機に普及が見込まれる。

 8Kは4Kの後継となる映像規格である。画素数は横7680×縦4320ピクセルで、現在主流のフルHD(横1920×縦1080ピクセル)の約16倍、4K(横3840×縦2160ピクセル)の約4倍の約3300万画素となる。

 平面であるにもかかわらず立体的に見えるほどの超高精細な映像表現が可能で、豊かな色再現性、秒間120枚のフレームレートによる滑らかな映像なども特徴として挙げられる。解像度が高まることにより、映し出せる範囲も広がる。8Kテレビを推進するシャープの説明によると、「フルHDの場合、野球なら投手と打者だけを映しているのを、8Kならグラウンド全体を映し出せるほどの違い」となる。テレビのサイズに例えると、8Kの場合は最低でも60型以上、適正なサイズは80型程度といわれている。

 8Kの研究・開発はNHK放送技術研究所が中心となって1995年から進められてきた。日本放送協会(NHK)では「スーパーハイビジョン」との名称で8Kを展開しており、2012年のロンドンオリンピック、2014年のサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会、先のリオデジャネイロオリンピックなどで大画面によるパブリックビューイングを提供している。

 この流れを受け、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて4K/8Kを一気に普及させようと総務省が積極的に動き始めた。2016年8月から4K/8KのBS・110度CS試験放送を開始し、2018年には実用放送が始まる予定だ。ただし、現在の4K放送とは伝送方式が異なるため、現行の4Kテレビで視聴するには新たにチューナーを購入する必要がある。テレビ放送以外では、デジタルサイネージ(電子看板)、医療、設計・デザインなどでの利用を見込む。

シャープが受注生産する法人向けの8K対応液晶ディスプレイ「LV-85001」は85型の大型サイズ
シャープが受注生産する法人向けの8K対応液晶ディスプレイ「LV-85001」は85型の大型サイズ