手持ちのAndroidスマートフォンを車内で利用するための車載用システム。普段利用しているAndroidスマートフォンをUSBで接続すると、カーナビの画面や音声操作を使って、地図アプリやメッセージの送受信ができる。

 スマートフォンやアプリが高機能化するにつれて、自動車の運転中も普段使い慣れたスマートフォンでカーナビゲーションや音楽再生をしたいというニーズが高まっている。とはいえ、運転中にスマートフォンを手に持って操作するのは、道路交通法違反であることはもとより、非常に危険だ。

 米グーグルが2016年7月に日本で提供を開始した「Android Auto」は、自動車の運転中にスマートフォンを使いたいというニーズに安全に対応できる仕組みだ。Android Autoに対応した車載システムを搭載した車では、カーナビゲーションのタッチスクリーンやハンズフリー通話用のマイク、ハンドルのコントロールボタンなど、運転中に使用した際の安全性が確認されている車載システム側の操作インタフェースを使って、USBで接続したAndroid OS搭載のスマートフォンを操作できる。

 このとき利用するコンテンツやネットワーク、アプリはあくまでスマートフォン側のものなので、ユーザーは使い慣れた環境をそのまま車載システムに持ってこられる。車載システム用に別途通信回線を契約する必要もなく、使い慣れた音楽アプリを使ってお気に入りのチャンネルやプレイリストを再生できる。あらかじめ行ってみたいお店を登録しておいた地図アプリを使って自動車をナビゲーションできるほか、電話やメッセージアプリを利用して連絡する際にはスマートフォン側のコンタクトリストから相手を選べるといった具合だ。

 Android Autoは海外で先行して運用が始まっている。2014年に米国で発表され、2015年に最初の対応モデルが発売された。それ以降、40社以上の自動車メーカーが参加を表明し、既に100車種以上がサポートしているという。

「Android Auto」対応の車やカーナビにAndroid搭載スマートフォンを接続すると、スマートフォン内のアプリなどをカーナビの画面上で操作できる。運転中でも、目的地付近の店舗の確認、音楽再生、メッセージの送受信などを音声で指示できる
「Android Auto」対応の車やカーナビにAndroid搭載スマートフォンを接続すると、スマートフォン内のアプリなどをカーナビの画面上で操作できる。運転中でも、目的地付近の店舗の確認、音楽再生、メッセージの送受信などを音声で指示できる
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Android Autoで利用したGoogleマップの画面。対応アプリは、カーナビゲーションのタッチスクリーン画面での視認性や操作性を考慮したインタフェースで表示される。スマホ側には事前にAndroid Autoアプリをインストールする必要がある
Android Autoで利用したGoogleマップの画面。対応アプリは、カーナビゲーションのタッチスクリーン画面での視認性や操作性を考慮したインタフェースで表示される。スマホ側には事前にAndroid Autoアプリをインストールする必要がある
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