中国・深圳(セン)市に本社を置くグローバルIT企業。18万人以上の社員を擁し、世界のスマホで3位の市場シェアを誇る。日本国内ではスマホやパソコンなど、一般消費者向けの端末事業で存在感を強めている。

 ファーウェイ(Huawei Technologies、中国語表記は華為技術)は、中国・深圳市に本社を置くIT企業で、世界170カ国以上でサービスを提供するグローバル企業。1987年に設立され、既に30年の歴史がある。2005年には国内にファーウェイ・ジャパンを設立し、2016年現在で従業員は900人以上という。

 国内では高級なダブルレンズを搭載したスマホ「Pシリーズ」の影響もあり、スマホメーカーとして知られるようになった。実際、SIMフリースマホやタブレットの販売が好調で、ブランドが浸透しつつある。調査会社の米IDCのレポートによれば、2017年第1四半期の出荷台数は韓国サムスン電子、米アップルに次ぐ3位となり、3420万台を記録したという。出荷台数では、世界的なトップメーカーの一つに躍り出た。

 だが、ファーウェイの事業はスマホだけの一本足打法ではない。2016年にはパソコン事業に参入し、2in1タイプや一般的なクラムシェルタイプのノートパソコン「MateBook」を発売した。

 このほかにもファーウェイは、通信事業者向けのネットワーク事業、法人向けICTソリューション事業も柱とする。ネットワーク分野では主要通信事業者と次世代高速通信といわれる「5G」に関する協業を推進したり、ICT分野では世界各地にクラウドデータセンターを構築したりするなど、BtoB事業も堅調だ。

 研究開発に力を入れていることでも知られ、2016年度の投資額は約1兆2789億円、全従業員の45%以上となる約8万人が研究開発に従事する。2017年には千葉県船橋市に新たな研究施設を開設する予定だ。日本企業とのコラボレーションにも積極的で、パナソニック、村田製作所、住友電工などと協業を進めている。

2017年7月に同社が発売したモバイルノートパソコンの「MateBook X」。薄型で高級感をアピールするデザインだ
2017年7月に同社が発売したモバイルノートパソコンの「MateBook X」。薄型で高級感をアピールするデザインだ
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