WebサーバーとWebブラウザーなどの間でのデータ送受信に関する通信規約「HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)」の最新版。Webブラウザーの表示を高速化し、ユーザー体験の向上に寄与する。

 「HTTP」とはWebページを閲覧する際に欠かせない通信規約(プロトコル)で、WebサーバーとWebブラウザーなどの間でのデータの送受信を規定するものだ。これまでは1999年に標準化されたHTTP/1.1が主流だったが、2015年2月に約16年ぶりに最新版のHTTP/2が標準化され、2016年に入ってWebブラウザーの対応などが進んでいる。

 HTTP/2が生まれた背景には、動画などリッチコンテンツの増加、スマートフォンなどモバイルデバイスの普及によるデータ通信の爆発的な増大が挙げられる。これら通信量の増大にHTTP/1.1の技術では対応しきれなくなってきたことが最大の理由だ。現在では「Chrome」「Internet Explorer」「Edge」「Firefox」「Opera」「Safari」といった各Webブラウザーや「Facebook」「Twitter」などの主要なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が採用。HTTP/2はHTTP/1.1と互換性を保っているため、ユーザー側で何か特別な対応をする必要はない。

 技術的には2009年から米グーグルが開発を進めてきた表示の高速化技術「SPDY」をベースとしている。基本的に、HTTP/1および同1.1ではWebブラウザーなどのクライアントがWebサーバーに「リクエスト」を出し、Webサーバー側からの「レスポンス」が完了するまで次のリクエストを出せない仕組みだった。しかしHTTP/2はレスポンスを待たずにリクエストを送信可能とすることで、データのやり取りの高速化・効率化を図る。

●HTTP/2とHTTP/1の違い
●HTTP/2とHTTP/1の違い
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