重要書類を受け取るための電子的な郵便受けの仕組み。公的証明書や契約書、法定書面、請求書、証明書などの送付に利用できることを念頭に、本人確認や送付書類の開封通知といった機能がある。

 公的証明書や契約書、法定書面、請求書、証明書といった重要な書類の送付には、郵便が使われることが多い。こうした書類の送付に電子メールが使われないのは、本人確認や受け取り確認、セキュリティといった重要書類の送付に必要な機能を、一般的な電子メールの仕組みで担保するのが難しいためだ。中にはクレジットカードや公共料金の利用明細など電子化が進んでいるものもあるが、セキュリティを確保するために電子メールではなく各社が独自に用意したWebサイトをバラバラに利用する必要がある。

 電子私書箱は、重要書類を受け取るための電子的な郵便受けだ。通常の郵便や電子メール同様に、利用者は自分専用のメールボックスに届く電子書類を待つだけでよい。本人確認を行う仕組みや、送付した重要書類を受取人が開封したかどうかを確認する仕組みもあるので、書類を送付する側の企業や官公庁にとっても利用しやすくなっている。

 政府は2017年7月から、マイナンバー制度で個人が自身の登録情報の確認などを行えるネットサービス「マイナポータル」の運用を開始する予定である。日本郵便はこのマイナポータルとの連携を見据えた電子私書箱サービス「MyPost」を、2016年1月から試行サービスとして運用している()。

日本郵便が2016年1月に試行提供を開始した電子私書箱「MyPost」の仕組み。必要に応じて利用者の本人・住所確認を行うので、これまで電子メールやWebサイトでの配信になじまなかった重要書類の電子的な配布にも活用しやすいという
日本郵便が2016年1月に試行提供を開始した電子私書箱「MyPost」の仕組み。必要に応じて利用者の本人・住所確認を行うので、これまで電子メールやWebサイトでの配信になじまなかった重要書類の電子的な配布にも活用しやすいという
[画像のクリックで拡大表示]