米インテルが提唱するクレジットカードサイズのコンピューティングプラットフォーム。教育現場で複数生徒のPC環境を素早く切り替えたり、IT家電製品のPC部分をアップグレードしたりなどの使い方を見込んでいる。

 米インテルは2017年5月、台湾で開催されたICT機器の展示会「COMPUTEX 2017」の基調講演で、同社が提唱するカード型のコンピューティングプラットフォーム「Compute Card」のデモンストレーションを行った。

 Compute Cardの内部には、CPUのほかストレージ、RAM、グラフィックス機能、無線機能といったパソコンの基本環境が搭載されている。クレジットカードより若干大きい94.5×55mmの大きさで、厚さは5mmと薄く携帯しやすい。セットトップボックスのようなドックに接続してデスクトップパソコンとして利用したり、家電製品と組み合わせることでネット接続やアプリ連携などの機能を追加したりできる。Compute Card対応製品は2017年の8月に発売予定で、米デル、米HP、中国レノボ・グループ、シャープなどのパートナー企業が製品開発を進めている。

 基調講演では、さっそうと舞台に登壇した米インテルの担当者がポケットからCompute Cardを取り出し、対応機器に抜き挿しする様子をデモンストレーションした。教育分野での活用事例として、教員がノートパソコン型の機器に挿入してプレゼン資料を作成し、教室ではホワイトボード型の端末に挿入してプレゼン資料を使った授業を行い、帰宅後は自宅のセットトップボックス型のドックでデスクトップパソコンとして資料を整理する一連の作業を、1枚のCompute Cardで行えることを紹介した。この事例では携帯中のCompute Cardを使って常に同じ環境で作業を継続できるので、データを移動したりバックアップしたりする必要がないという。担当者はCompute Cardをコンシューマー分野だけでなく、工業用途や車載用途など幅広い分野での展開を期待していると説明し、会場の技術者に活用を呼びかけた。

米インテルが2017年8月から出荷予定のCompute Card。クレジットカードサイズの本体に、CPUと無線通信機能、ストレージを内蔵している。このカードを差し替えるだけで作業環境を切り替えたり、性能をアップグレードしたりできる
米インテルが2017年8月から出荷予定のCompute Card。クレジットカードサイズの本体に、CPUと無線通信機能、ストレージを内蔵している。このカードを差し替えるだけで作業環境を切り替えたり、性能をアップグレードしたりできる
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