米アマゾン・ドット・コムが提供するクラウドを介した音声認識サービス。2015年にプログラム開発用キットを公開し、「Skills」(アプリ)が爆発的に増加。次世代音声サービスの主役と目されている。

 米アマゾン・ドット・コムの「Alexa」は2014年に対応機器の「Amazon Echo」とともに発表された。米アップルの「Siri」、米グーグルの「Googleアシスタント」、米マイクロソフトの「Cortana(コルタナ)」同様の音声認識サービスだ。

 アマゾンのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」によって解析を行い、対応機器を介して自動で検索を行ったり、機器の操作ができたりする。例えば音楽が聴きたい場合は、Wi-Fiでネット接続したAmazon Echo に“Alexa, play music”と呼びかけると、いくつかの音楽サービスから最適な音楽を流してくれる。

 アマゾンでは2015年には総額1億ドルにも及ぶ開発用途の基金を設立。並行して開発者向けにSDK(プログラム開発キット)を公開した。これによりSkillsと呼ばれるAlexa用アプリが続々と開発され、スマートフォン(スマホ)のアプリストア同様のストアを開設。2017年2月にはSkillsの数が1万個を超えた。

 今までの音声認識サービスはスマホやタブレットなどスマートデバイスにひも付く場合が多かったが、Alexaは一気に領域を広げている。家電見本市の「CES 2017」では700を超える対応機器が展示され、自動車への搭載も見られた。

 Amazon Echoも進化を重ね、2017年5月にはディスプレイが付属する「Echo Show」を発表。映像の閲覧はもちろん、照明や室温の調節、防犯カメラのモニタリングもできる。さらにアマゾンの当日配達便サービス「Prime Now」にAlexa対応機器から音声で注文できるなど、生活全般のフォローを狙う。だが2017年5月中旬時点では、Alexaは英語とドイツ語のみに対応。Amazon Echoの日本発売時期は未定だ。

進化を続けるAlexa
進化を続けるAlexa
最新の対応機器「Echo Show」はディスプレイを搭載した
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