Webブラウザーで利用できるインターネット電話サービス。2016年4月公開のプレビュー版では、マイクロソフトのWebブラウザー「Edge」において、プラグインなどの追加ソフトを使わずにSkypeサービスを利用できる。

 Skypeは、インターネット回線を利用したビデオ通話サービスの代表格だ。2011年に米マイクロソフトが買収し、現在同社の一部門となっている。

 本来は専用のアプリケーションをインストールして利用するサービスだが、マイクロソフトはSkypeをWebブラウザーから利用できるようにする取り組みを進めてきた。2015年6月に、各種Webブラウザーでプラグインを使ってSkypeを利用できるサービス「Skype for Web」をベータ版として公開した。2016年3月にはSkype for Webから固定電話や携帯電話に通話できるよう機能を強化した。続く4月のアップグレードで、Webブラウザーの「Edge」でプラグインを使わずにSkypeを利用できるようにした。

 Skype for Webは、現在W3Cで標準化が進められている「ORTC(Object Real-time Communications)」などのWeb標準技術を使って開発が進められている。マイクロソフトはビデオとオーディオの相互運用性が高まれば、今後ChromeやFirefoxなどのWebブラウザーでもプラグインなしでSkype for Webを利用できるようにする方針だ。

 なお、プラグイン不要のプレビュー版Skype for Webには、まだいくつかの機能制限がある。例えば、通話相手側が使っているSkypeソフトのバージョンが古い場合、プラグインのインストールが必要になる場合がある。また画面共有や固定電話/携帯電話への通話といった機能を利用する場合もプラグインが必要だ。

 Skypeを使った通話サービスは既に、マイクロソフトが提供するOffice OnlineやOutlook.com、OneDriveなどのWebアプリケーションに統合されている。ほかのユーザーと音声や映像を使って会話をしながら、クラウド上のデータを使って共同作業ができる。WebブラウザーのみでSkypeを利用できる環境が広がれば、マイクロソフト以外が提供するWebサービスでも、Skypeの通話機能を使って複数のユーザーが共同で作業できるサービスを実現しやすくなる。

米マイクロソフトは、同社のWebブラウザー「Edge」で、ビデオ通話サービス「Skype for Web」がプラグインなどの追加ソフト不要で利用できるようになったと発表した。将来はChromeやFirefoxにも対応する予定という
米マイクロソフトは、同社のWebブラウザー「Edge」で、ビデオ通話サービス「Skype for Web」がプラグインなどの追加ソフト不要で利用できるようになったと発表した。将来はChromeやFirefoxにも対応する予定という
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