パソコンやスマートフォンでWebサイトを閲覧する際に、サイト内の広告表示を制限する機能。広告分のデータを読み込まなくすることで、サイト表示の高速化やデータ通信量の削減を期待できる。

 Webサイトを見た際に、突然再生が始まった広告動画の音に驚いたり、ページをスクロールしても追従してくるバナー広告にイライラしたりした経験は誰しもあるだろう。こうした状況を改善するために、Webサイトの広告を表示させない「広告ブロック機能」を持つアプリケーションが増えている。データ通信量が減り、ページ表示が速くなる効果も期待できる。

 広告ブロック機能を利用するには、標準で広告ブロック機能を持つWebブラウザーを使う方法と、普段使っているWebブラウザーに拡張機能を導入する方法がある。標準で広告ブロック機能を持つWebブラウザーとしては、パソコン用なら「Opera」(右図)が代表的だ。拡張機能としてはグーグルの「Chrome」向けのものなどがある。スマートフォン用の拡張機能は「Firefox」や「ドルフィンブラウザ」向けのものが出ている。また、iPhoneでは、iOS 9.0以降が搭載したコンテンツブロック機能を利用する広告ブロックアプリが各種ある。これを導入すると、標準Webブラウザーの「Safari」で広告を非表示にできる。

 一方で、コンテンツ提供側にとって広告は大事な収入源の一つだ。利用者が広告をブロックすれば、コンテンツを提供できなくなったり、利用者に直接対価を求める「有料化」に踏み切らざるを得なくなったりする場合もある。利用者とコンテンツ提供者が共に納得できる広告の在り方について、議論が活発化しそうだ。

Webブラウザー「Opera(beta 37)」。広告ブロック機能を利用しない場合とする場合とで、Webサイトの表示時間がどれくらい変化するか比較できる。この画面の例では、広告を非表示にすると表示時間が約半分まで短くなった
Webブラウザー「Opera(beta 37)」。広告ブロック機能を利用しない場合とする場合とで、Webサイトの表示時間がどれくらい変化するか比較できる。この画面の例では、広告を非表示にすると表示時間が約半分まで短くなった
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