米グーグルが米国で提供を開始した固定電話サービス。留守番電話の音声メッセージから文字を起こしてメールで知らせたり、固定電話にかかってきた通話を、スマートフォンやタブレット端末で受けたりできる。

 Fiber Phoneは、米グーグルが米国内で提供しているFTTHサービス「Google Fiber」向けのオプションサービスで、月額10ドルの追加料金で利用できる。

 Fiber Phoneでは、番号表示や割り込み通話、救急などへの緊急通話といった通常の固定回線で利用できるサービスがこれまで同様に使える。加えて、留守番電話サービスに残された音声メッセージから文字を起こしてメールやテキストメッセージで連絡したり、固定電話番号への着信を、外出先のスマートフォンやタブレットで受けたりできる。

 安い通話料金も特徴の一つだ。月額利用料のみで米国内へは通話し放題になるほか、日本の固定電話宛ての国際電話も1分当たり3セントと低価格だ。新しい電話番号だけでなく、固定電話利用中の場合は同じ電話番号でFiber Phoneを利用することもできる。

 残念なのは利用可能な地域が限られている点だ。もともと米国向けのサービスなので日本では利用できない。さらに米国の中でも利用地域が限られる。Google Fiberのオプションサービスという位置付けであることから、2016年3月末時点ではテキサス州オースティンやミズーリ州カンザスシティー、ジョージア州アトランタ、ユタ州プロボのいずれかのGoogle Fiber提供地域でしか利用できない。

 グーグルによると、多くの家庭で固定回線はいまだに重要な位置を占めているにもかかわらず、長い間技術面での更新が行われていない。このことがFiber Phone提供のきっかけとなったという。Fiber Phoneは、昔ながらの固定電話にインターネット時代の利便性を追加したらこうなる、というグーグルからの新提案ともいえそうだ。

米グーグルの固定回線サービス「Fiber Phone」では、留守番電話の音声メッセージから文字を起こし、テキストメッセージとして受け取ることができる
米グーグルの固定回線サービス「Fiber Phone」では、留守番電話の音声メッセージから文字を起こし、テキストメッセージとして受け取ることができる
[画像のクリックで拡大表示]