「Google翻訳」アプリで、カメラ映像内の外国語をほぼリアルタイムで翻訳して表示する機能。いちいち文字入力する手間が不要で、翻訳内容が画像に重ねて表示される。外国語の標識やメニュー、広告の内容把握に便利。

 米グーグルがスマートフォン向けに提供しているアプリ「Google翻訳」の一機能。2017年1月26日に日本語にも対応した。スマートフォンのカメラでライブ撮影している画像に含まれる外国語を、ほぼリアルタイムであらかじめ指定した言語に翻訳して、画像上で元の外国語の位置にかぶせて表示できる。単純に言葉を翻訳するだけではなく、翻訳前の単語に似せて翻訳文字のサイズや色を合わせるので、画像として見ても違和感の少ない翻訳結果を表示する。翻訳前の単語が表示されている場所に訳語を合成表示することから、地図や案内板など、単語の表示場所が意味を持つ場合に特に便利に利用できる。

 操作はアプリで翻訳前と翻訳後の言語を指定して、カメラで撮影するだけと簡単だ。映像上に逐次翻訳結果が表示されるので、翻訳したい場所をどんどん写していけばよい。普段使い慣れない外国語の場合、翻訳したい単語を文字入力するだけでも大きなストレスとなる。このアプリを使えばこうした手間も不要で、急な海外出張先などでも活躍しそうだ。なお、初回利用時に「オフライン翻訳ファイル」(約45MB)をスマートフォンにダウンロードする必要がある。

 Webサービス版のGoogle翻訳は翻訳の精度が優秀なことで評価が高いが、Word Lensの翻訳精度はそれほど高くはない。看板や飲食店のメニューを翻訳する程度なら実用的だが、小説など長い文章の翻訳には向いていない。

「Google 翻訳」アプリで利用できるようになった「Word Lens」機能。スマートフォンのカメラ映像の文字要素を認識し、翻訳結果を画像に合成表示する
「Google 翻訳」アプリで利用できるようになった「Word Lens」機能。スマートフォンのカメラ映像の文字要素を認識し、翻訳結果を画像に合成表示する
[画像のクリックで拡大表示]