1台の携帯端末に2枚のSIMカードを挿入して、両方の回線の待ち受けができる機能。「デュアルSIM・デュアルスタンバイ」の英語表記の頭文字を取ったもの。同じ端末で仕事用と私用など回線を使い分けられる。

 1台で2枚のSIMカードを利用できる「デュアルSIM」対応スマートフォンの人気が高まっている。MVNO(仮想移動体通信事業者)や格安SIMの登場で、2枚のSIMを組み合わせて利用できる環境が整ってきたためだ。

 端末に2枚挿したSIMのどちらか一方を切り替えて利用できる機能を「DSSS」(デュアルSIM・シングルスタンバイ)と言い、2枚のSIMで同時に待ち受けできる機能を「DSDS」(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)と言う。国内ではデュアルSIM端末といえばDSSS対応機種が主流だったが、2016年後半にDSDS対応端末が登場してから徐々にDSDS対応端末の機種が増加している。

 SIMを2枚挿すことで、通話利用料が安いSIMとデータ通信料が安いSIMを組み合わせて通信料金を節約したり、仕事用の電話番号と私用の電話番号を使い分けたり、海外で現地SIMと日本の携帯電話会社のSIMを同時利用するといった用途に使える。

 うまく活用できると便利なデュアルSIM対応端末だが、大手携帯電話会社での取り扱いはなく、購入に当たって注意が必要な点も多い。例えば、SIMカードのサイズが合うかどうか、利用する携帯電話回線の通信方式や周波数に端末が対応しているかどうかなど、事前に確認が必要だ。またデュアルSIM対応端末の中には、2枚目のSIMがmicroSDカードと排他利用となっていて、SIMを2枚利用するとmicroSDカードを利用できないものもある。

 ユーザーが別々に手配したSIMカードとデュアルSIM対応端末を組み合わせて利用することになるため、うまく動作しなくても携帯電話会社のサポートは期待できない。

「DSDS」に対応したスマートフォン「g07」のSIMカードスロット。目的に合わせて2枚のSIMを組み合わせて利用できる。個人用と仕事用、通話用とデータ通信用、国内用と海外用などの使い分けに便利だ
「DSDS」に対応したスマートフォン「g07」のSIMカードスロット。目的に合わせて2枚のSIMを組み合わせて利用できる。個人用と仕事用、通話用とデータ通信用、国内用と海外用などの使い分けに便利だ
[画像のクリックで拡大表示]