米インテルのパソコン向けCPU(中央演算処理装置)製品群。ニーズに合わせた細かいモデルラインアップが特徴だ。2008年の第1世代供給開始以来アップデートを重ね、2017年1月時点の最新版は第7世代となっている。

 半導体大手の米インテルが2008年から発売するパソコン向けCPU製品がCoreプロセッサーだ。「Core i3」「Core i5」「Core i7」の3ラインアップからなり、数字の小さい方からエントリーモデル、標準モデル、高性能モデルの位置付けとなる。ノートパソコン/タブレット向けのモバイル用、デスクトップ用の2種類を用意し、その中でさらに低電力版や通常性能版など、用途に応じてさまざまなランクの製品をそろえている。

 2008年以降、インテルは毎年のように同シリーズの新製品を発売してきた。この年を起点として第1世代とし、2016年夏には最新の第7世代のモバイル用CPUを発表。2017年1月にはデスクトップ用CPUを発表した。同社はCore i3、Core i5、Core i7の名称を変えず、その後に続く数字で世代を特定する。第1世代は3桁、第2世代以降は4桁となり、最初の数字が世代を表す。例えば第7世代なら「Core i3-7320」といった具合だ。

 ハイペースでの新製品投入は、インテルの「チックタック戦略」によるものだ。チックタック戦略とは半導体の回路幅の微細化とCPUのマイクロアーキテクチャー(基本設計)の刷新を1年ごとに交互に繰り返す手法である。この思想は、インテル創業者の1人であるゴードン・ムーアが提唱した「ムーアの法則」(半導体の集積密度は2年間で倍になり、処理性能も向上)に基づいている。

 しかし、技術的な面などから現状では2年サイクルでの回路幅の微細化が難しくなっており、インテルは2016年に方針を転換。微細化は2年に一度のペースではなくなった。第7世代は基本設計や回路幅は前世代と同じだが、ビデオ機能などの性能向上の最適化を図っている。

最新版のデスクトップ用CPU
最新版のデスクトップ用CPU
2017年1月に発表した第7世代Coreプロセッサーのデスクトップ版(Sシリーズ)
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