IoT(モノのインターネット)による機器の通信需要増大に応え、新たに創設された「M2M(機器間通信)等専用番号」のこと。2017年1月1日に制度を施行、10月以降から大手携帯電話事業者が番号供給を始める。

 020番号帯は、2017年1月1日に施行された「電気通信番号規則等の一部を改正する省令」によって新設された「M2M等専用番号」のこと。M2Mは「マシン・ツー・マシン」の略で機器間通信を指す。1月4日の総務省発表を受け、大手携帯電話事業者であるNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、2017年10月以降に順次020番号を供給すると発表した。

 020番号帯新設には、IoT(モノのインターネット)によって、機器の通信に用いる携帯電話番号が枯渇するといった背景がある。IoT機器は通信モジュールを搭載して通信し、基本的には携帯電話網のパケット通信を利用するため、電話番号が不可欠となる。しかし、総務省が公開した資料によると、通常の携帯電話に割り当てられる080/090番号帯は既に枯渇、その後に充当した070番号帯も3740万しか残っておらず(2016年3月末時点)、IoT機器用の電話番号の整備は急務とされていた。

 新たに割り当てた020番号帯では、8000万回線分が用意される。既にポケットベルやD-FAX(インターネットFAX)で利用されている0204番号帯(020-4xxx-xxxx)を除いた0201~0203、0205~0209が該当する。本制度施行前にM2Mで使用済みの070/080/090番号帯は、そのまま利用可能だ。

 大手3社が提供する020番号帯を使うサービスは、(1)パケット(2)パケット+SMS(ショートメッセージサービス)(3)パケット+SMS+音声通話――が対象範囲となる。ただし、SMSでは人対人のメッセージ交換は不可、音声通話は通話先を限定した番号認識なしの場合に限るもので、NTT東西網に接続する音声通話は不可となる。

 (1)のパケット利用に関しては回線を借り受けるMVNO(仮想移動体通信事業者)もサービス提供できる。

020番号帯の利用イメージ
020番号帯の利用イメージ
機器間の連携がより円滑となり、業務効率化が進む(出典:総務省の公開資料を参考に作成)
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