実店舗、EC(電子商取引)、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのあらゆる顧客接点を統合し、どのようなポイントでも顧客が継ぎ目なく商品購入やサービス提供を受けられるようにすること。

 現在の消費行動は実店舗にとどまらず、インターネットを抜きには考えられない。ECサイトやSNSの口コミで商品を検討後、実店舗で確認して購入する、あるいはECサイトで購入した商品を郵送ではなく、実店舗で直接受け取る――。オンラインとオフラインをまたぐ消費行動は、もはや一般的なことになりつつある。

 オムニチャネルは、こうした消費行動の変化に対応するものとして生まれた。「オムニ」とは「全て」を意味する言葉で、ECサイトなどのデジタルの接点と、実社会におけるさまざまな顧客接点を一体として展開し、顧客がスムーズに商品購入やサービス提供を受けられるようにする施策を指す。

 消費のオムニチャネル化を後押ししたのがスマートフォン(スマホ)だ。実店舗では、スマホのGPS(全地球測位システム)やBluetoothを活用し、近くにいる顧客のスマホアプリに入店ポイントやクーポンを付与するサービスなどが定着。顧客はアプリをインストールし、登録することで、店舗側は顧客情報を入手。ECの実績データと実店舗での顧客情報を統合できるため、顧客ごとに最適化したセール告知や提案などが可能となる。

●オムニチャネルの概念図
●オムニチャネルの概念図
EC、実店舗がそれぞれ個別に存在するのではなく、消費者はオンラインかオフラインかを意識せずに商品やサービスを購入できる。スマートフォンが両者をつなぐ役割を果たす
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