EC(電子商取引)市場に占める「ショールーミング」の割合(金額ベース)。ショールーミングとは、店舗で下見だけして、最終的にはネットで購入する購買行動を指します。

 2013年3月期の消費者向けEC市場(国内)の規模は約10兆円。そのうちの約20%がショールーミングによる購買です。家電製品に限定すれば、その比率は30%以上にまで高まります。野村総合研究所(NRI)が2013年に実施した約2000人を対象にしたアンケート調査から明らかになりました。

 国内では2012年ごろに、家電量販業界でショールーミングに対する警戒感が強まりました。ショールーミングに拍車をかけるとして、米アマゾン・ドット・コムのタブレット「Kindle(キンドル)」シリーズの販売を見送る会社が出ました。

 最近では、衣料品業界でショールーミングの懸念が広がっています。スタートトゥデイが2013年10月に、スマートフォン向けの衣料品購入支援アプリ「WEAR(ウェア)」の提供を始めたためです。

 ウェアは、スマホで店頭の衣服についたバーコードを撮影することで、価格やサイズ、他の商品との組み合わせ情報などを参照できるアプリです。店頭で商品を買わずに、ウェア経由で後日商品を購入することが可能です。商業ビル大手のパルコは採用を決めた一方で、ルミネ(東京・渋谷)は採用を見送るなど、対応は分かれています。NRIの田中大輔上級コンサルタントは「ショールーミングは今後、さらに拡大していく」と話します。